Webサイトの運営に欠かせないサーバ。最近のレンタルサーバは月額1,000円程度でも十分商用サイトの運営に使えるほど高機能なものが増えています。
たたし、コーポレートサイトなどの用途で企業がレンタルサーバを選ぶときは、個人で使う場合とは違った選定ポイントがあります。月額費用やスペックももちろん重要ですが、見落としがちなポイントを3つご紹介します。
1.急なアクセス増加に対応できるか?
SNSで話題になったり、Yahoo!ニュースなどに掲載されたりすると、急激にアクセスが増加することもあります。ただし一般的なレンタルサーバは複数のユーザーで1台のサーバをシェアする「共用サーバ」。そのため急にアクセスが増えると制限がかかり、ユーザーが閲覧できなくなる503エラー状態(※)になってしまいます。
※503エラー:一時的にアクセスが集中したために表示できなくなるエラー
なおレンタルサーバによっては、一時的に転送量や同時アクセス数制限をアップできるオプションを提供しているところも。事前にこうしたサービスがあるか調べておきましょう。
例えば、さくらインターネットでは一時的に転送量や同時アクセス数の上限をアップさせる「リソースブースト」が無料で利用できます。エックスサーバーについてはこうしたオプションは用意されていません(2017年6月現在)
参考ページ:さくらインターネット「プレスリリース」
2.契約プランの変更は簡単にできるか?
たいていのレンタルサーバでは、松竹梅のように複数のプランを設けています。最初は安いプランにしておいて、サイトの規模が大きくなったら上位プランに切り替えようと考える方も多いのではないでしょうか?
ただしレンタルサーバによっては、プランごとに物理的なサーバを分けているため、プラン変更時にデータの移行などが必要となるケースがあります。こうなると移行期間を設けるなどの対策が必要なので、プラン変更時の手続き方法はチェックしておきましょう。
例えばエックスサーバーではプラン変更時データの移行は不要ですが、さくらインターネットではプラン変更時再契約となりデータの移行が必要となります。
参考ページ:エックスサーバー「よくある質問」
3.サイトの常時SSLは簡単にできるか
最近ではフォームなど個人情報を扱うページだけではなく、サイト全体をhttps化するいわゆる「常時SSL化」するケースも増えています。(かつてGoogleが常時SSL化したサイトを優遇するよう、アルゴリズムにアップデートしたというニュースが話題になりました)レンタルサーバを選ぶ際に、常時SSLを導入しやすいかもチェックしておきましょう。
常時SSL化のためには、まず独自SSLが導入できることが必須。(独自SSLとは、独自に取得したドメインに対してSSL化ができるかということです)
さらに「SSL証明書の種類が豊富か」「他社で取得したSSL証明書を導入できるか」「WordPressサイトを常時SSL化するときの手順は簡単か」などについても、一通りチェックしておきましょう。
例えばさくらインターネットでは、年額1,500円(税抜)のラピッドSSLをはじめ複数の証明書から選択でき、設定代行を依頼することも可能です。また、WordPressの常時SSL化は以前設定がややこしかったのですが、2017年4月からプラグインを提供開始して簡単にできるよう対応しています。
エックスサーバーでは、無料の独自SSLも用意されています。そのほか年額1,000円(税抜)のCoreSSLをはじめ複数のブランドから選択することも可能。WordPressの常時SSL化も、プラグインはありませんが簡単な設定で対応できます。ただし、エックスサーバーでは他社で取得したSSL証明書の持ち込みができませんので、注意しましょう。
使いやすさやメリットを考慮してサーバを選ぼう
レンタルサーバの比較検討というと、月額費用のほかディスク容量やMySQLの数、マルチドメインの数など基本スペックを比較するケースがほとんどです。
とはいえ最近ではこうしたスペックは各社であまり差がない状況です。むしろ今回紹介したポイントをチェックしたほうが、使いやすいレンタルサーバ選びに役立ちます。